認知症施設に親の住まいを変えるタイミング
認知症の親御さまを介護されている方は、毎日、辛い思いをされていることと思います。
認知症が軽度のうちはなんとか在宅で介護できたとしても、徐々に症状が進んで、徘徊や被害妄想が悪化してきます。
一生懸命サポートしていた家族も、辛い認知症の介護に疲れ、ストレスがたまりイライラの毎日。誰にも相談できず、家族の負担は増すばかり。
また親御さまが自宅で一人暮らしをしている時は、直接介護できませんから、さらに大変かもしれません。
認知症による物忘れ、徘徊、被害妄想、暴言や暴力などで、在宅での介護が難しいと感じたら、老人ホームの認知症ケアができる介護施設の専門スタッフの手を借りた方が、親御さまが心安らかに暮らせるかもしれません。
このページでは、認知症の親御さまをお持ちのご家族の方が、「こういう状態になったら、介護施設に入所した方が、親御さまが幸せなのでは」というお話ししたいと思います。
介護職員として私たち経験に基づき「認知症の親御さまの住まいを介護施設に変えるタイミング」を見分けるポイントを「介護のプロ」として、以下お話ししていきましょう。
火の不始末を起こす心配がある場合

認知症の高齢者と火事のリスクは隣合せ
親御さまに認知症の症状が現れた場合、一番心配なのが、火の不始末から火事になること。
鍋を火にかけていることを忘れてそのまま外出してしまった、石油ストーブに衣服を引っ掛けたまま放置した、等々、認知症の方と火事のリスクは隣り合わせ。
親御さまが一人暮らしている場合だけでなく、家族と同居している場合も油断は禁物。家族が留守の間にお湯を沸かそうとガスコンロに火をつけたとか、夜中に起き上がって仏壇のロウソクに火をつけていた等、家族の目の届かないうちに火事になってしまった、というケースは決して少なくありません。

親御さまが起こした火事で、
多額の損害賠償を請求されることも…
なお、同居している認知症の高齢者が原因で火事が出てしまった場合、同居者が監督責任を問われます。場合によっては多額の損害賠償を家族が払わなければいけないことも・・・。
このように、もし万が一親御さまが火事を出してしまうと、親御さまが怪我をする、自宅が燃える、周囲のご家庭にも延焼してしまう、多額の損害賠償を請求されるといった大変なことになってしまいます。
ですから認知症の症状が現れたら、火事の対策は必須事項。なるべく早く有料老人ホーム等に入居してもらって火から遠ざけた方が、親御さまだけでなく、家族の幸せとしては大切かもしれません。
お金の管理ができない

認知症も軽度ならまだ大丈夫と
思いがちですが、軽度でもお金の管理ができなくなる人は多いものです
認知症が出た場合、火事と同じくらい心配なのが、お金の問題。
お金の管理ができなくなって必要のない多額の買い物をしてしまったり、預金を引き出して誰かにあげてしまったり、詐欺にあって多額の借金を作ってしまったり。
気がついたら、財産が全てなくなって、借金の山になっていた、ということもあるのです。
同居している場合はまだ一定のチェックが効くと思いますが、別居している場合は監視のしようがありません。一人暮らしの寂しさにつけ込んで、言葉たくみに認知症の高齢者からお金を巻き上げよとする人は、決して少なくないのです。
親御さまが老後の資金をなくしてしまう前に、何らかの対策を打った方が良いかもしれません。
徘徊して怪我をする

家族が知らないうちに徘徊して
ケガをする方は少なくありません
また認知症が出てしまった高齢者の場合、夜中に徘徊する方が少なくありません。
暗闇の中で転倒して、骨折。そのまま入院して、病院暮らしを続けるうちに体が弱り、さらに認知症が進んでしまうということも・・。
あるいは日中に外を徘徊して、信号機を無視。車にひかれてしまう認知症の方もいらっしゃいます。認知症が進んだ方が一人で交通量の多い道路を渡ることを想像するだけで、本当に心配になってしまいます。
異食して喉をつまらせる

異食を始めたら、もう目を離せません
食べてはいけないものを食べる(異食)方もいらっしゃいます。
認知症が進むと、ティッシュペーパー、ゴミ箱の中のゴミ、鉢植えの土、紙おむつ、等々、何でも口に入れてしまいます。それで喉を詰まらせてしまって、救急車のお世話になる方も少なくありません。
他には電池を飲み込んだり、カビ取りクリーナーを食べてしまったり。どちらも中毒症状を発して命の危険があります。
介護者が精神的にまいってしまう

家族が精神的にまいってしまうのが
一番の問題です
認知症の親御さまと同居している場合、介護している方がメンタル的に大変な目にあうこともあります。
コミュニケーションが取れない。被害妄想になって物が盗まれたと訴えたり、家族を犯人扱いする。怒りっぽくなって、中には家族に対して暴力を振るうケースも・・・。
そんな状況になってしまっても、介護する家族はじっと我慢して、根気強く親御さんに接するしかありません。それが介護するご家族のメンタルを徐々に侵食していきます。
終わりのない介護生活に疲れ果て、夫婦仲が悪くなり、精神的に追い込まれて、いわゆる「介護うつ」の状態になってしまう方も決して少なくないのです。
認知症が進むと入居を拒否する

相談員の高橋です。
親御さまの認知症が進むと、老人ホームに移るのが大変になってしまいます
それからもう一つご理解頂きたいのが、「認知症が進むと、介護施設への入居を拒否する」人が多い、ということ。
認知症がひどくなると「認知症ケアのために老人ホームに入居する」ということを理解できなくなります。そのため老人ホームに移ることに抵抗を示し、頑として話を聞こうとしなくなってしまうのです。老人ホームのことを持ち出すだけで、怒鳴ったり、泣きわめいたりする方もいらっしゃいます。
無理矢理介護施設に入居させても、そこがどこなのかを理解できず、ホームで暮らすことを嫌がります。そしてホームで暴れたり、ホームから脱走したりして、結局、自宅に引き取ることになる方が決して少なくないのです。
ですから、認知症が始まったら、認知症がひどくなる前に専門家に任せることを考えた方がいいかもしれません。
「手に負えなくなるまで、少しでも長く自分たちで介護してあげたい」というお気持ちはよくわかります。でも認知症がひどくなってタイミングを逸すると、介護施設に移ることができなくなるかもしれないのです。

相談員の鈴木です。
親御さまの認知症にお悩みの方から、
たくさんの相談をいただきます
このように、認知症の親御さまが以下のような状態になったら、介護施設や老人ホームへの入所を考えるタイミング。
- 火の不始末を起こす心配がある
- お金の管理ができない
- 徘徊して怪我をする
- 異食して喉をつまらせる
- 介護者が精神的にまいってしまう
このまま放置しておくと、親御さまのお命に関わる事態医になりかねませんし、またこのタイミングを逃すと認知症が進んで、介護施設への入居を拒否するようになってしまうかもしれません。
だから親御さまの認知症が一定のレベルを超えてきたら、プロの力を借りるしかありません。
親を思う気持ちはあっても、家族の皆さんは決して認知症の専門家ではありません。認知症対策の知識を学んだわけでもなければ、専門的なトレーニングを受けた訳でもないのです。
近年、認知症の高齢者への対応について、様々な研究が進んでいますし、専門的な教育を受けた介護の専門家も増えてきました。
認知症が進んできたら、ご自身で頑張り続けるのではなく、ぜひ専門家の力を借りることをお勧めします。
いたずらに今の状態を我慢して状況を悪化させるより、認知症の高齢者受け入れてくれる専門スキルを持った施設の力を借りるのも大切なのではないでしょうか、

監修:介護福祉士/金子 淳一郎
介護業界20年の実績。
デイサービスを運営している株式会社S-FIT ケアにて、3つのデイサービス施設を統括。
つねに介護に接している視点から、「ひとりでも多くの人に、ベストな老人ホームを選んでほしい」という思いから介護施設の研究、紹介支援活動を行う。

相談員の石山です。介護職員の経験をもとに対応させていただきます
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